![]() | ポーの一族 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 6) (2007/11/26) 萩尾 望都 商品詳細を見る |
萩尾望都さんの主要作品の新装版が発売されています。それがとても素晴らしいので
なんとかしてその凄さを伝えられないものかと、何ヶ月もあれこれ考えていたのですが
ムリです。私の拙い文章ではムリでした(笑)
ちょっとだけ前置きですが、30年程前の少女漫画界に、それまでの「コマ中に
お花畑が咲いている」様な少女マンガとは一線を画す繊細な感情表現、
歴史や哲学、SF等にも深い造詣を持ち、画面構成も斬新、そんな実力を持った
まさしく「キラ星」と言われるにふさわしい程の才能溢れる人達
(萩尾望都さん、竹宮惠子さん、大島弓子さん、池田理代子さん、山岸凉子さん等々、
今でも第一線級な方々なのが恐ろしいですが)が同時期に次々と現れ、その方達が皆
昭和24年前後生まれだったので、『花の24年組』と言われてるんですね。
で、そんな24年組の内の1人、萩尾さんの新装版です。
私も一応絵を描く職業の隅っこにいるせいか、漫画を読む時は、内容よりも、作者側の
立場になって読んでいる事が多いんですね。このコマのこういう流れで最後の決めゴマに
持っていきたいんだな、みたいな、分析をするような読み方というか。
でも、萩尾さんの作品は、これが分からないんですよ。
誰かが言っていたんですが、「漫画の面白さはコマ割りで決まる」と。
人気の漫画家さんになると、下書きの段階でもう面白いって言いますからね。
萩尾さんの作品の面白さは、絵が奇麗なのはもちろんの事(さらっとかいた様な
絵でもデッサン完璧ですからね!読みながら「うまいな!」「これもうまいな!」と
もだえてしまいました。)コマ割りの見事さにあると思うんですよ。
1コマ目→2コマ目→3コマ目みたいに、コマの流れが時間の経過を表すものだけでは
なくて、感情や観念的なものがいっしょくたになって1枚の原稿用紙の上に焼き付け
られているような、コマの1つ1つではなく、ページ全体を眺めさせる感じ。ああ、
コマって別に順番に読まなくてもいいんだ!と、今更ながら目から鱗が落ちました。
ストーリーも起→承→転→結みたいにはっきりした感じではなく、色んな細かい
エピソードが壊れそうなくらい繊っっっっっっ細なバランスで繋がりあって
気付けば大きな流れが出来上がっていた様な、
分っかんないんですよホント。どう表現したらいいのか(笑)
そして果たしてこれが推敲に推敲を重ねた計算に基づいたものなのか、それとも
感覚的にぱっとひらめきで思い付くものなのか、多分同時にやってるんでしょうね。
読んでみると、「マンガってこんな事ができるんだ!」と気付かされる事請け合いです。
映画にもアニメにも小説にも真似出来ない、マンガでしか出来ない表現手法が
この中にはあります。先月、今月と発売された「ポーの一族」、エドガーとアラン、
そしてエドガーの妹メリーベルという3人を中心とした、バンパネラの何百年にも渡る
お話なのですが、私はこれが萩尾さんの作品の中では一番好きで、
読みながら何回も「すごい!」「何でこんなの描けるんだ!?」と身悶えてましたが、
読み終えて、そういやこれ30年以上も前の作品だったという事を思い出して
ガクゼンとしました(笑)






